大いなる野望、その視点経営力。講演会レポート

2015.10.15 金沢商工会議所ホール

第一部、喜多社長による講演。今日にいたるまでの波乱に満ちた人生をユーモアを織り交ぜて語っていただきました。「メシを食うために始めた運送業という事業」、それがなんとなく生活ができてしまうほどに成長、しかし、若き日の喜多社長の心の底では「運送業」へのトラウマがくすぶっていました。運送業で地獄の苦しみを味わった父の姿が脳裏に焼き付き離れない・・・従業員も増えはじめ、簡単にはあとには引けない状況の中、どうしても運送業に未来を見出すことができない。そんな時にある運命の出会いともいえる一冊の本を手に取ることになります。そこに書かれていたのは「物流」という言葉でした。一冊の本、そして一つの言葉との出会い、そして独自の視点の力が働いたとき、金沢初となる「物流業」の会社をつくれるのではないかという発想が湧いてきます。そして藁をもつかむ思いで血眼で仕事にくらいつく毎日・・・その結果「誰もやりたがらない仕事」、いや「誰もやっていない仕事」となり、ニッチ化に成功。オンリーワンの座を築くことができたのではないかと。これこそが喜多社長の「視点」でありました。 その視点を養うモットーとなったのが、「動けば変わる」ということであると教えてくださいました。「分かる」「できる」「する」ではなく、「まずはやる」そうすると当然失敗もするが「少しできるようになる」。「少しだけできるようになる」と不思議と「少しやる気が出てくる」。自信がまた次への行動につながり、実践が習慣になるという好循環が生まれます。

何かやりたいと思ったら、「まずはやろうと思うこと」「実際に行動してみること」が経営者としての視点を養うと同時に部下の育成でも価値あることではないだろうかという考えを語っていただきました。


喜多社長の話を聞き「喜多社長にも視点を変えるという発想が大変重要であると感じました、今後自身の業界の国内活性化にどのような視点で取り組むべきか業界の皆様と購入ユーザー、一般ユーザー様もウィンウインになる流れを原点から探っていきたいと考えています。」と大きな感銘を受けた参加者の方もいらっしゃいました。


喜多社長の講演の興奮が冷めぬまま休憩時間も終わりにさしかかったところで会場が暗転します。

二人の熱い思いが語られたダイジェストインタビュービデオが映し出されたのでした。

一気に二人の世界観に参加者が惹きつけられる中、近藤塾長が登壇。

講演会参加者への感謝と近藤塾誕生にかける思いを語り、第二部を開始しました。

創業当時は、工業団地の一角にあった小さな解体業者だった会宝産業。それがなぜ海外75カ国とも取引ができるようになったのか?という経緯について語りながら、会宝の視点を紐解いていきました。日本車が国内のみならず、海外でも多く走っていることに注目、国内よりも何倍も広い海外マーケットを視野にビジネスを展開することを決意された近藤塾長はその国に赴き、自らの手で市場を調査開拓し、信頼関係を構築してきた「現場、現物、現実」という三現主義を実践してきた歴史を語って下さいました。そして日本の先進的なリサイクル技術をもとに、「地球レベルの環境保全」の志をもって事業を展開する「会宝の視点」は目を見張るものがあります。多くの国と取引をしつつ、地球レベルの資源循環型社会実現の担い手となっていく決意、その志に基づいた実践が会宝産業の成長の要因であることが明確になった内容となりました。

また近い将来、どのような時代になっていくかについての考えが述べられました。「大量生産、大量消費、大量廃棄」はもう終わりを迎える、「作れば売れる」ではなく、「本当に良いもの」であり「お客様が喜ぶものしか受け入れられない時代」がやってくる、つまり「本物が輝く時代」がやってくるのではないかという塾長の願いにも似た考えが参加者に伝えられました。

 「挑戦」を求め、変化を起こそうとする経営者を批判し否定する者は必ず現れるが、一方で心から応援し評価してくれる者も現れるという事実を前提に、「内なる自分を信ずる」ということへの重要性が語られました。「視点経営」には大いなる勇気が必要であり、その勇気の源こそが「内なる自分を信ずる」ことに他ならないことということを講演の結びとなりました。

 近藤塾長の話を聞いて「『使命感、価値、視点、行動』などのキーワードが強く印象に残りました。本日のお話を自分の中で噛み締めたと思いました。」という意見や「いろいろ迷いが生じている時期だったのでお話を聞かせていただいて心がスッキリしました。ありがとうございます。」という感想もお寄せいただきました。

 登壇者のお二人から共通して発せられた「行動・実践、まずはやってみる」というメッセージに感銘を受けたご意見も多くよせられ、一歩を踏み出す勇気が出てきた方が多くいらっしゃいました。

 お二人の講演の熱が冷めやらぬ間に第3部のパネルディスカッションをスタート。

口火を切ったのは、なんと地元金沢大学の学生でした。その学生から「価値という言葉についてのお考えを教えていただけますか?」という質問が投げかけられ、喜多社長からは、「本日私はさまざまなお話をしましたが、講演の中身に価値があるというよりも、話を聞いたあなたの心の中に考えの中に創造されるものが大きな価値なんです。」という回答をいただき、近藤塾長からは、「講師の善し悪しは、聞く人側の思いの丈であったり、聞く人がどれだけ課題意識をもっているかで価値は決まります。」という返答をいただきました。価値を作り出すのは「人」であり、「視点の力」が大きく関わってくるということを改めて感じさえてくれたディスカッションのはじまりとなりました。

 引き続いて、美容関係の女性経営者からは「これだけ組織が大きくなった一番の理由はなんだと思われますか?」という質問がなされ、「使命感をもって仕事に望めたことではないでしょうか。」と喜多社長。「死生観をもち大事に考えはじめたこと。今生きていること息が吸えることに心から喜べたことではないでしょうか。」と近藤会長。自分の時間、つまり命をかけて従業員を守り、事業を展開しようとしたときに、二人の経営者の中で本人も気づかない何かが芽生えたことを感じ学べた時間となりました。

 その後も活発な意見交換がなされ、講演会では語りつくせなかったお二人の思いにも触れることができ、「もう3時間が過ぎてしまった。あっという間だった。」と感じた参加者が大勢いたことが印象的です。

 

 講演会を振り返ると、頷きながらメモを取っている方も多く見受けられました。学ぶ意欲が高く、参加者の姿勢が素晴らしい学びの場を創ったという印象を事務局一同感じることができました。

「東京から来て聴かせていただき、刺激とパワーをもらいました!!ありがとうございます!」といった遠方から参加した喜びを表現してくださった方、「私にとってまだやれる、やらなければならないと思う熱い感動にして頂いた3時間がとても嬉しく、励みになりました。近藤塾のますますの成熟を楽しみにしています。」という喜びに満ちたメールを塾事務局宛にくださった方、「深く気づくことがありました。」「自社にもどってから、講演会で得た知識を整理し、今後に生かしたいです。」というアンケートの記述があったことからも、参加者にとって充実した学びの場となりました。


 講演会を終え、「働くことに喜びを感じながら楽しく働ける社員を増やしていくために大切なことをもっとしりたい」「使命をしっかりとした利益に変えて世に広める力をつけていきたい」「次回の塾長の話をぜひお聞きしたい」というお言葉もいただき、新たな学びの意欲がわき、次へのセミナーへの期待もよせられました。

「近藤塾が経営者、ビジネスマンだけでなく、主婦や学生にも門戸を広げていただいているところに、本当に世界を変えるってこういうことなのかなと感じました。ありがとうございました。」という近藤塾の未来に対する期待と希望を寄せるご感想もいただけ、大変光栄でした。


講演会にご参加くださった皆様へ近藤塾長はじめ、近藤塾事務局一同重ねて感謝申し上げます。

今後ますます皆様が価値を生み出していける学びの場を共に創造していく決意と覚悟をあらたにできた第一回の記念すべき講演会となりました。

事業経営の起点は視点から発信された発想である。発想は事業経営の基盤となる人モノ金を構築するが、ともすればその視点によって基盤は軟弱なもろ刃の剣になり、併せて強靭な武器にもなる。人モノ金の源である視点力こそが事業成功の起点であり最も重視しなければならない。果たしてその視点力は自らの力によって養えるものなのか、または持って生まれた才覚なのか。

優れた経営者の共通点、それは卓越した視点力だった。

喜多 甚一

(きた しげかず)

ビーインググループ CEO
株式会社ビーイングホールディングス代表取締役社長

1966年8月生まれ49歳。かほく市(旧七塚町)出身。
石川県立津幡高等学校卒業後、20歳で起業。
現在2100名を超える総合物流輸送企業「ビーインググループ」のCEOを務める。
趣味は読書(中国古典)機械全般(メカニック)
座右の銘は「知行合一」。

http://www.being-group.jp/

近藤典彦

(こんどう のりひこ)

近藤塾主宰 会宝産業株式会社 代表取締役会長

使い古された自動車部品を無駄なく再利用するための「静脈産業」ビジネスのパイオニアである会宝産業株式会社創業者。22 歳で起業後、使用済自動車エンジンや部品を世界75 カ国と取引するグローバルビジネスを一代で築き上げる。さらに、自動車リサイクル技術の研鑽を目指す内閣府認証NPO 法人RUM アライアンスを設立し、国際会議を開催するなどの功績が讃えられ、第13 回アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー セミファイナリスト アクセラレーティング部門賞(2013 年)、船井財団グレートカンパニーアワード「勇気ある社会貢献チャレンジ賞」(2014 年)など、数々の賞を受賞。また、国連持続可能な開発会議(リオ+20)では、国際協力機構(JICA)と協力出展し、パネリストとしても登壇。 現在、静脈産業エバンジェリスト、グローバルビジネス事業展開アドバイザーとして国内外にて活動中。

【著書】 「エコで世界を元気にする!」

http://kaihosangyo.jp/

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